お礼のグッズ制作続報です。
今回はシルバーペンダントの制作工程を紹介したいと思います。
シルバーアクセサリーを作る方法は、彫金、鍛金、鋳金の3種類の方法があります。
今川さんのシルバーペンダントは、鋳金(鋳造)という方法で制作しています。
別名ロストワックス法と言い、最近のシルバーアクセサリー制作の主流となっています。
その制作方法は、
ワックスと呼ばれるロウの塊を削ってワックスの原型を作り、
水に溶かした石膏の中にワックス原型を埋めます。
石膏が固まったら窯で熱してワックスを溶かすと、石膏の中にワックス原型と同じ形の空洞ができます。
その空洞に溶かしたシルバーを流し込むことで、ワックスで作った原型と同じ形のシルバー原型が出来上がるというわけです。
今度はそのシルバー原型を利用してゴム型を作ります。
シルバー原型をゴム(焼きゴム)で挟み熱を加えることで、ゴムが原型と同じ形で固まり、
原型を取り出すと原型と同じ形の空洞ができます。
そのゴム型に溶かしたワックスを流し込むと、原型と同じ形のワックスが出来上がります。
そのワックスの複製を増やし、上記で説明した方法でシルバーを量産することができます。
今川さんのペンダントは、原型製作からゴム型作成までの工程が、上記の説明とは若干違います。
これがワックス原型にあたる部分です。
プラスチックとシルバーで作りました。
ここから液ゴムでゴム型を作り、ワックス複製を量産しています。
これが鋳造されたてのシルバーです。
この時点では銀色でなく真っ白です。
ここからバリや湯口(プラモでいうランナー)を削り、製品として仕上げていきます。
実はここからの作業が大変なんですね。
鋳造という方法の特性上、平らな部分にヒケと呼ばれる凹みが出来てしまいます。
それがわからなくなるまで表面を削ります。
また、触った時のあたりが柔らかくなるように、角を滑らかに処理します。
この写真は荒磨きも終え、カンと呼ばれる部分(チェーンを通すところ)をロウ付け(溶接みたいなもの)しているところです。
この後に、燻して(硫化させ黒くする)表面を研磨することで完成です。
銀と黒のコントラストが美しいペンダントが出来上がりました。
完成品※チェーン別
銀は柔らかい金属なので、純銀(純度99.9%以上)でアクセサリーを作るとすぐに傷だらけになってしまいます。
なので、一般的にはスターリングシルバー(銀92.5%、銅7.5%)と呼ばれる合金を利用します。
今川さんのペンダントもスターリングシルバーで作成しました。
お手元に届くまで、もうしばらくお待ちください。